ミき下の【スミつき】

Overturn Of Encephalon

【Kakiokoshi AVP2】

車を運転している

肌黒い顔
話している二人
もう一人は助手席に
場面転換
新入りの若者が帽子を被っていないことに対して怒る男
二、三言い訳の言葉を発する
若者は出て行くが結局帽子は被っていない
それに対して語気を荒げる帽子を被った男
場面転換
話している二人の男
男性の腕を拾ってくる犬
驚く男二人
山奥のトンネルの中
車に乗っている帽子を被った若者
窓を開けてログハウスをちらちらと見ている
ベルを鳴らすとそこには金髪の美女
中へ入ると知り合いの三人がソファーに座っている
男の名はリッキー
リックの届けたピザを食べる三人
外で騒ぎ
場面転換
男の子に暴行を働く三人の男
ピザボーイと言い残し去る三人
二十九号車に何かがあるとの通告
警戒を払いながら歩み寄りながら銃を構える男性
場面転換
黒人の男性が吐き気を催したかと思うと腹中から赤黒い物体が飛び出る
近くで心配していたピザボーイも同様に
場面転換
少女を抱き上げる女性
少女の名はモリー
女性の名はケリー
分服を着ている
男性と一緒に家に入るモリー
場面転換
窓から家に入るリッキー
既に中にいた怒られるリッキー
バットを寄越せと言われる
一緒にキーを探そうと誘いを受ける
家の中に入る物体
宇宙から彗星のようなものが現れ湖の中に落ちる
透明で電気を帯びた二足歩行の影が地に上がる
正体を現し青黒い身体が露わになる
見ているのはまるで温度カメラのよう
シューシューという息遣い
先に不時着した宇宙船の中にいる仲間の額に手を当てて事情を察知する
口から溢れる緑色の液体
白い煙幕の舞う中半透明な注射器を取り出し自らの肉体に刺してピストンを押す
沢山の武器を肉体を覆っている鎧に装着する
エラー信号のようなものが鳴っている
場面転換
双眼鏡型の暗視カメラで遊んでいる子供
ベッドの上
彼女はモリー
両親が心配している
寝れないと言うモリー
母親が本を持っている
パパに本を読んでもらうと言う
父親はママにやっと会えたのにいいのかと聞く
しばらく時が経ってソファーでテレビを見ている父に後ろから抱きつく母親
キスをする二人
場面転換
マンホールの蓋をずらして覗き込む二人の男
一本の懐中電灯を持って地下へと降りて行く二人
地下通路を歩いて行く
愚痴を言い合う二人
不気味な鳴き声を聞いてと鼠の尻尾のようなものを目撃して恐れを抱く男
何かの生き物が脱皮した皮のようなものを見つけて棒を使って不思議そうに眺めるもう一人
場面転換

場面転換
森の中で人探しをしている沢山の人
木の上からそれを見ている温度カメラを装備している者
木々や草が沢山生えている地面に降り立つ
警察と話す女性
無線機から届く声
倒れていた男性に向かって青い液体を垂らすと溶ける男性
それを目撃した黒人男性
気づかれて慌てて逃げ出すも後ろから太い針のようなものを投げられて身体を貫かれ意識を無くし倒れ込む

(終)

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【疎通 再配列】

昨日みた話題の映画はイマイチだった

キミはとつぜん意味不明なことを言った
ボクは昨日の映画の内容を思い出していた
ボクはキミが何に対して説教しているのか分からなかった
困惑の色を隠せなかった
彼は日ごろのストレスであたまがおかしくなってしまったようだ
キミとは距離を置くとこにした
ボクとキミとは長い間会っていない

噴水の近くを歩いていると珍しい毛並みのパンダを見つけた
ボクはそこでじょうだんを言ったんだ
なぜかキミは少しおこったようだった
ボクはもう一度ゆっくりとジョークをかました
どうしてか少し落ち込んでいるようだった
ボクはそこで再度だめ押しの鉄板ネタを連続で披露した
ボクはまんぞくした
次の日キミは噴水のそばにいた
ボクは職場のパンダ関係の話をした
ボクはそのパンダの毛並みを聞いた
べつにふつうだと言った
ボクはキミに感想を聞いた
ボクは映画の感想を言った
電気の切れかかった自販機が気になっていた
何があったのかと聞いた
別にどうもないと答えた
視界にチラチラとした光が入り込んでいた
きょだいな垂れ幕を指さして今度いっしょにあれを見ようと言った
首を振った
縦に見えた

(終)

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【すごくゆっくりと炊き込みご飯を混ぜている男がいる】ep.3

誰に向かって話しているのか、そもそも話しているのか、書いているのか。
そういったこと、及びこの先に現れる一部の表現については、是を以って追及しないこととする。
具体的に言えば、椎茸や筍や人参や鶏肉のようなものの可能性が高いと言えるかもしれない。
頻出していることだが、椎茸や筍が入っているかもしれなし、実際は入っていないかもしれない。
好みとか配分とかいったことではない。
白いご飯がそのままということもなくはない。
この辺りに留め、次に進もう。
女性ではない。
男性だ。
男の人である。
女の人ではないことは確かだ。
それはぱっと見で分かる。
もしかしたら、女の人かもしれないという考えが過ぎるまでもなく、男性である。
まず、格好、風貌からして男である。
生物学上、男性である。
胸部が膨らんでいて、生殖器は完全に女性のものかもしれないが、完全に男である。
その人が棒状のものかヘラ状のものかそれ以外のものを使って、炊き込んだご飯をスピーディーとは言えない速さでぐるぐるだか、さくさくだか、もしくは他の擬音で文章中で表現されそうな様子でかき混ぜている。
いるのかもしれない。
いないのかもしれない。
それも断定できない。
それとは何かも分からない。
こうなったらもうお終いかもしれない。
どうなったというのか。
追及しないと先ほど書かなかったか。
どこに書いたのか。
本当に書いたのか。
誰が書いたのだ。
この空間を宇宙空間と名付けた。
その片隅か、中央か、その概念すらもあるのかないのか、それすらと分からぬまま、今の時代はいつだろう。
記憶がなくなったのか。
始めからなかったのか。
誰と知り合ったか。
その誰かはいたか。
そういった疑問を宇宙的恐怖と名付けた。
誰もが動物になりたいと願った。
もうなっているのに。
話してるのは誰だ。
書き込んでいるのは誰だ。
どこにいるんだ。
意識の目覚めか。
別の話をしていたような気がする。
気がするのは誰だ。
そんな人はいない。
誤解を招く表現をしてしまった。
何度目かは分からない。
すごくゆっくりである。
炊き込みご飯である。
混ぜている。
男である。
いる。
百パーセントいる。
絶対的に男である。
とにかく混ぜている。
間違いなく炊き込みご飯である。
誰がどう見てもゆっくりである。
声を掛ければ、こちらを向いて返事をするかもしれないが、とりあえず、そういうことだ。
このことを耳にタコができるほどか、もしくは若干しつこい程度か、初耳かもしれないが言う。
最後かもしれないし、途中、ないしは最初という可能性もあるのだが、端的に説明する。
すごくゆっくりと炊き込みご飯を混ぜている男がいる。

(終)

【シックスティーンよ永遠に】

まるで囁くようなラップミュージックが右の耳から左の耳へ抜けてゆく。

心地よい風が窓から入り込んで、紙のそばに放ってあった数学のプリントが濃い桜色の絨毯の上に落ちる。
一瞬注意はそちらの方に惹かれたが、またすぐに絵の続きを始めた。
暫くして、外の大通りを走るトラックの走行音が耳について、窓を閉めた。
それからどれくらいの時間が経っただろう。
気がつくと部屋が薄暗くなっていた。
知らぬふりをして、ペンから持ち替えた十六色のコピックを走らせる。
だが、十分もしないうちに陽が落ちて部屋は濃青の空気に包まれた。
右側を向くと、机の予備収納の上で光っている赤色が目に沁みた。
『16』と表示されたそれは、ラジカセに挿入されたCDの曲数を表す数字だった。
とりあえずラジカセの電源を切った。
確認するまでもなく、フェードアウトするように消えるデジタル文字。
暫くは使わないと考えて、コンセントも抜こうと思った。
ラジカセの裏から伸びる黒いコードを意識したとき、余計に暗さが際立った。
コンセントの前に部屋を明るくしようと思った。
椅子から降りて机を離れた。
反対の窓辺の壁には、シャッターを下ろすスイッチがついている。
そこまで向かおうとしたとき、何かを踏んでくしゃっと音がした。
そちらに目を向けると、A3サイズ二つ折りのプリントだった。
その紙の端には『数学II』と書かれている。
拾って、ドアの近くに置かれていた平べったい通学バッグの上にそっと投げる。
たまたま電気のスイッチのそばだったので、序でに部屋の電気を点けた。
一気に明るくなる室内。
その足で丁度向かい側のシャッターボタンの方へ行き、三つあるうちの下矢印のボタンを押す。
うぃぃんがらがらと機械的な音を発しながら、徐々に固い幕が降りてくる。
その幕は、完全に締まり切り、外で強い風が吹くと、かたっとか、ばしゃっとか色々な音を発する。
椅子に戻って、机に備え付けられた蛍光灯をのスイッチを入れる。
グリーンのマットの上に置かれたA3サイズよりも大きな紙が輝いて見える。
その絵の続きをやろうとして、鉛筆を手にして、もう描くものがないことに気づいた。
そのとき、下の階から聞き慣れた声がした。
適当な返事を返して、机のライトを消し、椅子から立ち上がる。
そのとき、ラジカセの黒いコードが目に入り、思い出す。
コンセントを引っこ抜いて、部屋の去り際に後ろを振り返ると、部屋全体が視界に入る。
そこには、変なキャラクターが沢山描かれたカレンダーの裏紙。
部屋の壁には、意味不明な文言が沢山貼ってある。
消灯する。
少し廊下を進み、二段ずつ軽快なリズムを刻みながら、階段を降りていく。
食欲を刺激する、焼き魚と野菜炒めの匂い。

(終)

【すごくゆっくりと炊き込みご飯を混ぜている男がいる】ep.2

付け加えておくと、先ほど、すごくゆっくりと炊き込みご飯を混ぜている男を見て、驚きの色を隠せないということにしたが、実際は隠せているかもしれない。
あえて現在形で表現したのは、このことが起きたのが、いつなのかすら分からないのだ。
何十年も前のことかもしれないし、何ヶ月か前かもしれない。
はたまた、昨日や今日のことの可能性もあるし、まだ起きていない未来のことということもあり得る。
もし、これまた決めつけて掛かることはできないが、未来のことだったとしよう。
そうすると、ものすごくゆっくりと炊き込みご飯を混ぜている男がいるだろう、ということになるのか。
そうすると、始めの表現は間違っているということになる。
虚偽の報告をしてしまったことに私は反省をしている。
反省をしていると書いたが、実際は書いていない可能性もあるということは胸に留めて頂きたい。
また、書いて、といったが、実際には書かれていないということも十分可能性としてはある。
私が今こうしてやっている、これは声かもしれないし、味かもしれないのだ。
何を言っているのか分からないという人は、この場限り断定口調を遣わせて頂き、考えるな、と伝えたい。
この先は分かっている人に向けて、私という一人称用いていることの意味を伝えたい。
意味はない。
伝えてもいない。
その可能性だけ、可能性だけは捨てないで欲しい。
欲しいが、欲しくないかもしれないということも十二分にあるのだ。
ここには全てがある。
全てがないということもある。
何もないということもあるかもしれないのだ。
話を戻す。
これ以上言及すると、あらゆる面で限界を迎えてしまう。
それ以前にここに達するまでにいくつもの齟齬が生まれている。
それを前例として、この先も齟齬を生み続けて良いものだろうか。
悪いとしたら、誰が決めたのか。
置いておこう。
どこに置くのかという疑問は野暮だ。
そうしたい。
したいが、実際にそうできるかは不確定だ。
叶えられない夢もあるのである。
夢の定義、またこの一文に出てくる言葉については、この場では言及しない。
混ぜているものの中身に目と題を移そう。
全体として見ると、それは明らかに炊き込みご飯だ。
炊き込みご飯と言えば、ご飯の他に、色々な具材を入れて炊き上げた食べ物である。
それは広義である。
例外もあると言っておこう。
言っておくが、あくまで言っておいただけなので誤解をしないで頂きたい。

 

(続く)

【はかいデンキ】

あいよーあいよー安いよ安いよー

安いだけが取り柄だよー
他の長所は一つもないよー
それでも興味がおありの方
どうぞもっと手前の方へ
まずはご覧いただきましょう
このコンポ
はいすぐ壊れる
電源を入れると必ず燃える
ショートとかじゃなくすぐ燃える
ボタンも沢山付いていて
色んな機能が付いているかと思いきや
普通のコンポと大差はない
その上操作が超複雑
理解するのに三、四年
使うこなすのに四十年
保証期間は約三日
本当に安いだけが取り柄なんだから
もし、どこかの魔王か何かに、今日中にコンポを用意しろ
そんでさもないととか何とか言われたからには即買いな
それ以外のお客は帰った帰った
買わない客は客ではない
それはもう、各だね
各は各々帰った帰った
コンポを変えたいテレビも変えたい
シーディラジカセエアコンリモコン
音楽プレーヤディスクプレーヤ
メモリーカードと携帯電話
時計にゲームに扇風機
蛍光灯からエルイーディ
ヒーターストーブ給湯器
スタンドライト空気清浄機
さあさあまだまだお買い得
壊れちゃって新しいのが欲しい
調子が悪いからおニューに変えたい
そういう人は帰ってね
こちらはニッチな客商売
ジャンク品の一歩手前の寄せ集め
壊れてはないが使えない
腐ってはないが食べれない
そんな商品のオンパレード
期待はしない方が身のため世のため人のため
クーリーグオフは適用外
とにかく安いだけが取り柄のこち
はかいデンキ
人生で色んな経験がしたいという人には打ってつけ
何てったって安い安い
とにかく安い
いくら買ったって人生はかいデンキなんてことにはなりはしない
多少揉めるが場所さえあれば
一種のオブジェやコレクションとして
ただし、転売すると即溶ける
特殊な製法特別仕様
特許出願中企業秘密
断っておくがどれも新品オリジナル
作ってる場所はシークレット
メイドイン丸々しっかり刻印
買った人だけ分かるんだよ
気になった方は店内へゴー
実は中には見本品
答えがすぐに丸わかり
買うか買わないか決めるのはそれを見てからでも遅くない
はいはい今から来た人聞いて
こちらデンキはかいデンキ
どうしてそんなに安いかは仏と神様のみぞ知る
そんなジョークはさておいて
中にはこのコンポ以外も勢ぞろい
見ていくだけならタダなわけ
タダより高いものはない
そう言うけれども本当にそうか
タダはタダ、ダダこねたって手に入らないものがここにある
コンポはスイッチ押すと燃える
掃除機はコンセント刺すと凍る
電池は持つと大爆発
洗濯機はすぐ飛び上がる
安い安いはかいデンキ
安いだけが取り柄のはかいデンキ
ステータス全振りはかいデンキ
一家に一台はかいデンキ
まずは電池から始めてみませんか?

(終)

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【すごくゆっくりと炊き込みご飯を混ぜている男がいる】ep.1

すごくゆっくりと炊き込みご飯を混ぜている男がいる。
いつからそこにいたのだろうか。
気づくとそこにいた、というほかあるまい。どこからどう見てもスローである。
はっきり言ってしまえば、めちゃくちゃスローである。
まるで、ハイスピードカメラで撮った映像を見させられているかのような混ぜようである。
もっとも、ハイスピードカメラで撮ってなどいないので、驚きの色を隠せないのである。
恐らく私は隠せていない、驚きの色を。
確証を持って言えたことではないが、多分隠せていない。
隠せているかいないかで言えば、多分隠せていない。
隠せている可能性を考えると、隠せているパーセンテージと拮抗する可能性すら分からないが、この場合、どちらか全く分からないので、仮に隠せていないということにしておく。
西の人が見たら、めっちゃスローやん!
と言うに違いない。
仮に近くに素早く動いている人がいたとしたら、一層そのゆっくり具合が強調されて見えただろう。
その素早く動いている人からしたら、めっちゃくっちゃスローじゃん!
と言うに違いない。
もし、その人が西の人だったとしたら、めっちゃくっちゃスローやん!
と言ったに違いない。
これは仮定であって、更には予測なので、あまり自信を持って言えたことではない。

なので、断定の論法を避けて、恐らくそうだろうと表現しておこう。
そして、いつからそれを見ているのか、自分では見当もつかないほどの時間が経ったのか、経っていないのか、それについては一向に分からないのだが、少し前と比べてもその格好、洋風な言い方をすると、ポーズにほとんど変化がないことから、ことのほかもたもたしていることが分かる。
だが、確信を持って言えるのは、混ぜているということだ。
何かを使って、何かを攪拌している。
何を使って混ぜているかは一切分からない。

今までに見たことがあるような気もするし、ないような気もする。
真相は一体どちらだろうか。
両方の気持ちは同じくらいである。
だから、これ以上言及をして、誤解を招かないようにしたい。
もし、後日、あの時見たことあると言ったじゃないか、といちゃもんをつけてくるような輩がいたら、私はこう言いたい。

断定はしていない、と。
何せ、本当に見たことがあるようなないようななのだ。
輩とは誰か。

本当に後日なのだろうか。

今日中かもしれない。
それとも。

 

(続く)