ミき下の【スミつき】

Overturn Of Encephalon

【ごはんセット大佐】ep.3

ふう
起きてください、ごはんセット大佐!
おお、そうじゃった。すまない。睡魔に襲われていたことは事実じゃが、甘物を食べるという過去に宣言したことを無碍にしそうになってしまった。あたかも、鈍感さや素直さを盾にして他人に迷惑を掛ける小悪党に成り果てるところじゃった
大佐は立派なお方ですから、このようなきっかけで小悪党になるとは私は信じません。いつでも心の中にはミニ大佐がおります
こりゃあ一本と取られた! 大佐なのにミニとはこれいかに。それは置いておいて、取り留めのないことを言っていて、乾物が温まったら残念じゃ。すぐに用意をしてくれ
はっ。こちらでございます
ほほう。温度を保つために金属ドームの蓋を被せてあるのか。なかなか良いぞ。じゃが、中が見えないとなると色々勘ぐってしまうな。まさか、最後の品まで揚げ物ということはあるまいな。わしが南国好きだからといって、サーターアンダギーとか、最近流行りの揚げアイスなど入っておらぬじゃろうな。じゃとしたら、破門じゃ。わしにどうしても油を食べさせたいとあれば、枝豆の内部に注射器で注入するか、サラダの皿をラードで作製するのが良い。冗談じゃよ。どこからどこまでが冗談かは自分で考えるのじゃぞ。もちろん、この先も冗談が混ざっているかもしれぬから気を緩めるでないぞ
はっ。銀のドームを付けた意味は、温度維持のためと、中身を自由に想像して頂きたいという思いからでございます
ほほう。そうであったか。このおかげで何時間でも話せるわい
流石にそれ自体に冷却機能は無いので早めに召し上がって頂きたく存じます
そうじゃな。では、開けるぞ
はっ。ご遠慮なくどうぞ
こっ、これは! パフェ!
旬の苺をあしらいました
いちご。すなわちストロベリーか。ほほう。全く分かっとらんな。こんなおなごが食べるようなものをわしが喜んで食べるとでも思ったのか。よくも平気で出してくるものだ。バナーナかパインアップルだったら良かったものを。折角だから一口だけ食べるが。ん!?  うまい!!
このパフェを作るのに、ラードでサラダ用のお皿を作るのと同じくらいの時間がかかりました
もう食べ終わってしまった。お替わりはないのか
どうしても手間が掛かるもので、一日一杯が限界でございます
毎晩これを出してくれ
かしこまりました。食後のごはんセットのご用意も出来ております
少佐、今ちょうどごはんセットが欲しかったところじゃ。以心伝心とはまさにこのことじゃな。さっそく運んできてくれ
はっ。ごはんセットでございます
ふむ。漬け物と味噌汁だけでも意外とご飯が進むな。わしは今日から特別な人じゃ。もっとも元から特別じゃがな。しかし、いかんせんご飯が進みがわるい。ここにもう何品かパンチのある料理が加わってくれぬものか
大佐! カニクリームコロッケと揚げ出し豆腐とポテトフライと鶏の唐揚げがございます
温めなくても良い! 今すぐに持って来るのじゃ!
はっ。
こりゃうまい! シェフの腕もさることながら、お前の献立作成能力には脱帽じゃよ。前回からの飛躍的な成長が感じられる。まさに抜群の組み合わせじゃ!
お褒めの言葉に私は幸福な思いでございます
ようし、今日からそなたは少佐から中佐に昇進じゃ!
有難うございます! より一層、大佐に近づくことができて幸せでございます。これで、漢字も間違えません
おめでとう、モンテロウザ少佐よ。これが中佐の証じゃ。その襟首のバッジと交換じゃ
重ねて感謝申し上げます。ちなみにもう油風呂のご用意は出来ております
わしは、もうお手上げじゃよ

 
(終)